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Microsoft Flight Simulator 2002 (Microsoft)

マイクロソフトフライトシミュレーター2002

RATE: 「バージョン6」はやはり何も変わっていなかった。
プレイ時間: 1週間程度

 

あの「FS5」が帰ってきた!

ユーザーから絶大な支持を得て一世を風靡した、あのマイクロソフトフライトシミュレータが7年もの沈黙を経て、「バージョン6」となって帰ってきた!! 「バージョン6」には、我々が待ち望んだあらゆる機能が組み込まれている・・・フライトプランナー機能、自機、他機ともに従うATC機能、自分の他に飛び回っている他機、現実の気象とシンクロさせるリアルウェザー機能、リアルタイムに変化する天候、そして、全世界の空港とシーナリ自動生成機能・・・。FS5時代、我々は糞オタの作った腐ったアドオンソフトを組み込み、ツギハギ状態になりながらかろうじてこれらの機能を実現するしかなかった。できの悪いアドオンを複数も入れて苦労し、なんとか快適にこれらの機能にアクセスしようと、もんどり打つような苦労をしてきた。が、もうそんな心配は必要ない。マイクロソフトはユーザーからの要望に答え、すべての機能を一つにして帰ってきたのだ。






「金返せ!」「はい、返します。」

過去、マイクロソフトは、FS5の派生製品を新製品と偽り、多くのユーザーを苦しめ、また、多くの馬鹿なユーザーがまんまとだまされてきた。
FS5 Win95 対応版は、Win95アプリとなっただけで内容は全く同一、
FS5+アドオンパック(3Dアクセラレーション対応版) は、すこしばかりグラデーションが滑らかになっただけで美しい美しいと糞オタどもに評価され、フライトシミュレータユーザーがいかに世間知らずの引きこもり糞オタ野郎であるかを世に知らしめた。
このほかにもFS2000という名称の不良品もあったようだ。
これらの贖罪として、今回は3000円キャッシュバックというお詫びがついてくる。だが、FS2002自体、適正価格に3000円上乗せした販売価格であるのであまりありがたくない。過去の製品一つにつき3000円返せといいたいところだ。

フライトプランナーやATC、リアルウェザーなどはほかのほとんどのシミュレータですでに実現されており、遅きに過ぎたという感は否めない。だが、FS2002は最後発であり、他社製品を研究しているかもしれないという淡い期待がある(最初からそんなもの期待するなって? その通りだ)。その機能の一つ一つを紹介し、どれだけまともになったか見てみよう。





[×] ATC機能、ATCに従うAI機。

いったい何年待たされたことだろう! あれだけ無視され続けていたATC機能がやっと実現した!! FS5当時、アドオンソフトでかろうじて実現できたセリフだけ垂れ流しのATCもどきや、Fly!のようなインチキATCではない。タワー、ノンタワーはきちんと区別され、グラウンドではタクシーウェイを指定され、他機がいればホールド、ゴーアラウンドを指示される。IFRクリアランスや航空路管制もある。そして、他機もこの管制に従って飛んでいるのだ! もう雰囲気だけのダイナミックシーナリなんかじゃないぞ! 機能は完璧じゃないか・・・・そう、機能だけを見れば、だ。

ATCは日本人パイロットができるだけ避けて通りたい関門であるにもかかわらず、実際やってみるとなぜかまったく迷うところがなく、簡単なのだ。Flight Unlimitedをやったことがあるなら、もっと実感できるだろう。タキシングしようとすると「コールサインを言え」、タキシングで迷うと「エアポートダイアグラムを見ろ」、ちょっとばかりツウを気取ったお子様パイロットは、きっとアウアウアーとなったはずだ。Flight Unlimitedが、どこで誰に何を言うのかすべて自分で判断しなければならないのに対し、FS2002では、その時点で言うべき内容が全部リスト表示されるので、まったく何も考えるところがないのだ! このシステムは、Flight Unlimitedで起こるような事実と不整合なATCを防ぐ効果があるが、ATCシステムの想定した返答をしないと先に進まなくなるなど、システム上、融通が利かないところも多い。購入層の大多数を占める、風景を見るだけの一般人とのろまなMSFSキチガイには、どうせATCなどできるわけがないので、このようなシステムにしたマイクロソフトの判断はおそらく間違ってはいない。だが、ユーザーから思考を奪うシステムは評価できない。なにも判断しなくてよいゲームのいったいどこが面白いというのか。






[○] フライトプランナー

ささいなトラブルが大きな事故となる航空機では、フライトプランの重要性をいまさらここで解くまでもないのだが、購入層の大多数を占める、風景を見るだけの一般人とのろまなMSFSキチガイには、どうせフライトプランなど・・・

FS2002のフライトプランナー機能は意外にもきちんとしたもので、それっぽい一覧を表示してくれる。その場で印刷が可能なので、プリンターはぜひ用意したい。メッシュ高度データ採用のおかげか、航路上の安全な高度を指定してくれるので、「指定通りに飛んだら山にぶつかった」なんてことがない。多分。長距離の航路を指定すると、大圏航路を考慮したルートを出してくれる。燃料の計算もしてくれるが、燃料流量はどうしてるのかわからない。ただひとつ残念なのは、出発、到着空港を指定する際に、マップを見てブラウズすることができないことだ。空港名で指定するするのは当然なのだが、最近のソフトではマップを見ながら視覚的に選択できるものが多いので、この例に倣って欲しかった。ルートの編集画面ではマップが出るので、実現は簡単だったはずだ。ここで作成したフライトプランは自動でGPSにインポートされるようで、GPSの線に沿って飛ぶだけという白痴フライトが可能である。






[◎] リアルウェザー

VFRパイロットなら、天候や天候の変化がどれだけ重要な要素であるか認識しているはずだ。人の手で変えられない天候を自分で設定してから飛ぶということは、まるで答えを見てから問題を解くような不自然極まりない行為である。これを解決する一つの方法がリアルウェザーである。これによって毎回変化する気象に対応する必要が迫られる。この機能も古くから求められていたのだが、風景鑑賞だけの似非パイロットたちはこの重要性を理解できず、よって実現も後送りにされてきた。

さて、FS2002のこの機能はボタン一つでダウンロード、読み込みができるのでなかなか良い。読み込み後のマップになにも表示されないのはちょっとマヌケだが良しとしよう。X-Planeでは自分で天候ファイルをダウンロードこなければならなかったし、一定時間ごとにダウンロードするには別途アドオンソフトが必要だった。また、Fly!では・・・どうだっけ? ダウンロードとファイルの管理は自分でやる必要があったように思う。読み込み時に致命的な不具合があるので実用にならなかった。

FS2002では一定時間ごとにリロードもやってくれるのかどうかはわからないが、逐次それっぽく天候が変化していくので、現実のように対応を迫られるなど変化が楽しめる。一つ残念なのは、この変化する天候にATCが対応していないことだ。VFRでもIFRでも、前方に雲が出てきたから高度を変更したいと管制にリクエストする方法がない。せっかくのフィーチャーが噛み合っていないという感じだ。






[×] ちぐはぐなフィーチャー、不可解な不具合。

FS2002には多くの不具合を抱えている。それも、プログラム上起こりうるバグではなく、少し使えば誰でも気づくような、非常に目立つ品質チェック漏れのような問題が多数あり、他の商品で言うならいわゆる「キズもの」の状態で出荷されているのである。具体例を挙げれば、エンジン停止状態で短時間駐機していると、なぜかエンジンスタートできなくなる。異常な短時間でバッテリ切れを起こすらしい。ジャイロ式定針儀は極端にドリフトするのでまったく使い物にならない。オートパイロットをONにするとなぜか翼の水平もONになってしまい解除できない、デフォルトの視界が変なので変更しようとしても、ビューオプションの一部を記憶しない、などなど。他にも、コクピットの時計をクリックすると時刻が変わるのだが、クリックするたびにシーナリを読み直すので長時間待たされる、コクピットを移動やリサイズすると異常に待たされるなど、過去の機能が仇となっているところもある。

ATCにしても、自分の判断でマニュアルで周波数をあわせ、任意の局にコンタクトしようとしてもそのような操作はできないようになっている。コクピットには多数の計器やスイッチが配置されているが、解説されていないものも多く、エンジン停止状態からマニュアルで操作しているとバッテリが落ちるので話にならない。飛行感覚はこれも例によってかなり乏しい。FS3から何の進展も見られない直線的な飛行感覚。まっすぐ飛ぶだけならそれなりだが、少し変わった機動をするととたんに嘘っぽくなる。実を言うと実機も単純に飛ぶだけなら比較的直線的だ。そういう点ではリアルである、あるいは、この程度のリアルさで十分と言えるかもしれない。

糞オタコミュニティーによっていくつかの不具合を改善する方法が紹介されているが、彼らの行為は「不良品の正当化」に他ならない。不良品をつかまされてもなお不良品にしがみつく彼らの姿は哀れでならない。






[×] 付属しない説明書、助けてくれないヘルプ。

マニュアルは例によって「なし」である。ユーザーに製品の使い方はいっさい明かされない。飛行教習ガイドは初めての人向けガイドブックだし、いくつかの大容量PDFファイルは、糞オタ向けに良かれと思って他の書籍から抜粋したような内容で、タメになりこそはすれ、実際に起こりうる疑問には答えてくれない。やたら詳細なように見えるオンラインヘルプは、実は役に立たない。例えばこんな感じだ。「[編集]・・・編集ボタンを押すと編集できます。」・・・ユーザーは編集項目の詳細や、編集の方法を知りたいはずなのに、ヘルプは同じ言葉をおうむ返しにするだけで、ちっともヘルプになっていない。「○○オプション・・・○○オプションをONにすると、パフォーマンスが低下することがあります。」・・・○○オプションについて、どのような効果が得られるか具体的に知りたいのに、副次的な効果しか書いていないのだ。

PDFマニュアルは、初心者向けの飛行ガイドやATCマニュアル、特定の飛行機の解説書が付属している。このまま印刷すれば立派な製本マニュアルになるくらいしっかりレイアウトしてある。だがすべて表面的な操縦方法だけで、この計器を切り替えるにはどうしたらいいんだ? とか、VOR2はどこで見るんだ? とか、○○の機能があるはずなのに、このパネルではどうやって使うんだ? など当たり前の内容を解説していない。当然これらの疑問は解決されず、シミュレータの機能を引き出せず、中途半端なものにしてしまっている。

オンラインヘルプやPDFマニュアルがすべて悪いわけではない。だが、そこに書かれている内容は、オンラインヘルプだから許されるであろうという開発者の甘えと安直な言葉遊びばかりで、必要な情報が全く書かれていないことが問題なのだ。オンラインヘルプは、自分の知りたい情報を明確にし、トピックや検索を行い、常に能動的に情報を求め、探し出す努力をしなければならない。どこに書いてあるか、書いてあるかどうかもわからない情報(たいていの場合書いてないのだが)を探し求め、全体の見渡せないオンラインヘルプを次々とクリックしていき、ユーザーはヘルプという名の迷宮に陥ってしまう。








FS2002の強み

FS2002をインスコロールしてまず気づくのは、初心者に対する間口の広さである。付属の飛行教習ガイドはこれ以上にないほど懇切丁寧だし、オープニング画面では、案内人があらわれ、ごく単純なキー操作やジョイスティックを握るところまで、なんとムービーで紹介される。これで迷う初心者がいたらウソだ。フィーチャーも、常に初心者を意識して作られている。その顕著な例が異常なまでに見栄えにこだわったシーナリや機体のモデリングで、複雑な機能は理解できない初心者でも「きれいな画面」は馬鹿でもわかる。同一製品でも市場が縮小しないよう、常に新規ユーザーの確保を念頭に置くマイクロソフトは正しすぎる。

ヘリコプターのふいんきはけっこういい。低い高度を飛ぶと、いままでは平坦な地面しか見えなかったのだが、オブジェクト自動生成のおかげで立体的な街並みを実感できるようになった。また、山岳近くではメッシュによる複雑な地形をじっくり見ることができる。FS2002のシーナリを生かした好例と言えるだろう。ヘリのバーチャルコクピットも、コクピット内を通して眼下の地形を見ることができるので、着陸時などよりパイロットに近い視点で体験することができる。

頭悪いシステムとはいえ、それなりのATCを全世界で受けられ、しかもIFRのATCで、コントロールのハンドリングを体験できる。メッシュシーナリと自動生成シーナリにより、どこでもそれなりにリアルな景色を見ることができる。世界中の空港も用意されており、だれでもそれなりの満足度を感じることができる。などなど、仕様も対象ユーザーも、文字通り「広く浅く」を絵に描いたような製品といえる。突出した特徴はなく、欠点も多かれど、それをカバーするほどの「広さ」があるように感じる。






情報収集? 判断? コミュニケーション?

アスキー出版の公式ガイドに、パイロットのコラムが載っていた。それによると、「操縦とは、情報収集、判断、コミュニケーションである。操縦桿を握るのは、全体の1割程度でしかない。」なのだそうだ。(短時間の立ち読みなのでうろ覚えなのだが、だいたいそんなことが書いてあったと思う。) 他の多くのシミュレータがこの1割から脱出しようと試みた良質な製品も存在したというのに、MSFSの糞オタどもはいままで何の疑問も抱かず、1割にも満たないところでクネクネしていたとはお笑いだ。

だが、このFS2002でも「情報収集、判断、コミュニケーション」が再現できているかどうかというとちょっと疑問だ。ATC、AI機、フライトプランナー、リアルウェザー・・・・・・望んだものは、すべてある。にもかかわらず、このFS2002で飛ぶときは何かを考え、判断するだろうか。グラウンドではタクシーウェイナンバーは書いてないのでタクシーアシスタンスを要求すると、ご丁寧に地面に矢印が出てくる。トラフィックアドバイザリでは必ず「航空機視認」を選択しないと先に進まなくなる、自分が適切と思う時に、適切な通信をしようと思ってもメニューに現れない、コクピットにスイッチは多数あれど説明は不十分だし、エンジンの始動はctrl+eしかやることがない。これでいったい何を判断せよというのか。すべてのフィーチャーはプレイヤーが判断しないですむようにつくられているのだ。

FS2002は、大空に漠然としたあこがれを感じるズブの素人が、少しでもあこがれを具体的なものにするツールとしてはたいへん有効だろう。だが、「飛行教習ガイド」に書かれている内容から一歩でも進もうものなら、混沌とした世界が待ち受けている。再現していることと、省略していることに一貫性が見られず、そこにはシミュレーションのポリシーが感じられない。巨大な製品を体系的に解説するマニュアル(紙、電子メディア問わず)が存在しないことも、この製品の価値を著しく下げている。なによりも、このソフトに決定的に欠けているものは、パイロットの視点だろう。FS2002は、ジェネラルアビエーションを知らない、興味もない、技術者集団が、PCオタクのために良かれと思ってかき集めたフィーチャーのかたまりに過ぎないのだ。



 

 

 

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