Gravis Xterminator Dual Control (Gravis)

グラビス エクスターミネーター デュアルコントロール

RATE:モノ自体は良いが重大な欠点が。

 

グラビスの高機能デジタルジョイスティック。

グラビスはカナダのジョイスティックメーカーである。昔はサウンドカードのGravis Ultrasoundで名を馳せたが、いまはジョイスティックのみのようだ。洗練されたデザインとユニークなコンセプトを持つ製品が多い。Xterminator Dual Controlは、前作Xterminatorゲームパッドの技術をジョイスティックに取り入れ、高機能デジタルジョイスティックとしたものだ。発売直後からフライトシム用として大いに期待していたのだが、しかしながら「大失敗だった」とはじめに言っておこう。

自由にカスタマイズできる多数のボタン(いくつだったか調べるの面倒だがかなり多い)も特長だが、なんといっても最大の特長は「5軸」のスティックだろう。メインのスティックでX-Y軸、スロットルでZ軸、さらにこのDual Controlの象徴であるプロポーショナルパッドで、U-V軸、またはR-Z軸コントロールができる。また、スティックやプロポーショナルパッドをマウスとしても設定できるし、キーストロークも割り当てできる。ハーフライフ系のゲームで、マウスで視点、キーボードの左のほうで移動という割り当てになじめない人は、このDual Controlで、スティックで移動、プロポーショナルパッドで視点、といった割り当ても可能なわけだ。というか、5軸よりも元々このような用途のために作られたものと思われる。5軸に対応したゲームなんてないからだ。

 

思うように設定できない5軸のスティック。

ところで、この軸に対する設定がちょっと融通利かなくて困る。スロットルのコントローラーと、プロポーショナルパッドがどうも排他動作のようなのだ。たとえば、フライトシムをプレイしようとして、スロットルにZ軸を割り当て、プロポーショナルパッドの左右にR軸にラダーを割り当てようとしても(RとはラダーのRだ)、設定できないのだ。プロポーショナルパッドには、R-Z軸モードもある。これで、左右でラダー、上下でスロットルの動作をするはずだが、なんと機能しない。

これがグラビスのソフトウェアXperienceの欠陥なのか、DirectXの仕様なのかはわからない。とにかく動作しないので、「Xterminator Dual Controlはフライトシムに不向き」としか言いようがない。当然だが他社のラダーペダルとの併用もできるはずがない。ジョイスティックにマウスを割り当てるゲームなんてそう多くないだろうから、これは大きな期待はずれだ。

 

でかい図体、比較的しっかりしたメカ、少し心配なスイッチ。

本体は大きい部類に入る。無限大(∞)の形をした台座の右側にスティックがあり、左側にスイッチ類、中央にプロポーショナルパッドがある。左側は、左手をかぶせるようにして操作するようになっている。メインのスティックは、ニュートラル時の精度、重さ等感触は良い。プロポーショナルパッドは左手の親指で操作するが、Xterminatorのときもそうであったように、すべりやすいであろう。スロットルはただのホイールである。適度な重さがある。カスタマイズできるスイッチ類はさまざまな位置に効率よく配置されている。スイッチは少し安っぽい感じがするので、耐久性が心配だ。感触だけの問題かもしれないが。

ラダーの問題だけを除けば、ジョイスティックとしては良いできである。ラダーなんていらないし、これからも必要になることもないというのであればお勧めである。ただしこれだけの機能を持ちながらフライトシムに使えないというのは確かに納得いかないだろう。

 

 

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