Make your own free website on Tripod.com

 

DELTA FORCE LAND WARRIOR (NOVALOGIC)

デルタフォース ランドウォーリア

RATE: 細部は改善、ゲーム内容は改悪
プレイ時間: キャンペーンすべてクリア






ノバロジックのデルタフォースシリーズは、流行のジャンルである特殊部隊シミュレーションの中でも、非常に手軽にプレイでき、かつ、それなりのリアリティを持つ人気作のひとつだ。複雑なルールは取り除かれ、敵の位置や自分の進むべき道がいつでもわかるGPSマップなどでとっつきやすい反面、敵の位置が丸わかりだったりと若干リアリティを損なう。が、一発即死などシミュレーションなりの緊張感は健在で、手軽にリアルなミリタリー物の雰囲気を味わいたいという向きには最適である。

前作デルタフォースおよびその2は、ノバロジック独自の技術であるボクセルスペース Voxel Space 32 を利用した表情豊かな地形描写が特長だった。が、このボクセルスペースはハードウェアアクセラレーションが対応せず、快適な動作という点では劣っていた。将来的にも他社が追随する望みがないため、デルタフォース3 ランドウォーリアではボクセルスペースエンジンを捨て、通常のポリゴンベースとして制作された。本作は同名シリーズ3作目であり、ここでは前作との比較を行う。




ポリゴンベースのメリット、デメリット

主に動作速度を改善する狙いがあったためだと思うが、動作は非常に滑らか、ぬるぬると動く。前作の、オブジェクトがたくさんでたらカクカクしたのが嘘のよう。見た目は嬉しいことに前作とそっくりだ。ただし草むらはなく、装備品にもギリースーツはない。したがってギリースーツを着て地面を這い回る楽しみがなくなってしまった。行動範囲は非常に広大で、前作と同等のフィールドを再現している。色合いはやわらかく、敵の姿が背景に溶け込みやすい。ビデオカードのアンチエイリアスをONにしていると、敵の視認に苦労する。また、滑らかに動くようになったため、前作にあった建物の段差でひっかかったり、手榴弾を通さない窓など、理不尽な現象が少なくなり、快適にプレイできるようになった。

残念な点も多い。草むらがなくなったということは、隠密行動の手段が一つなくなり、プレイの幅が狭くなったということだ。グラフィック面でも、ポリゴンならもっと優れた表現ができるはずなのに、なぜか手抜きのモデリングが多い。前作では描画手法の制限もあってシンプルで荒いオブジェクトが多かったが、本作でもこれを忠実に再現してしまった。のっぺりした建物、変化のないテクスチャ、使い回しのオブジェクトばかり。前作ではボクセルスペースの美しい描写のおかげでこれも許せただろうが、新作でこれだと手抜きと思われるだろう。




ゲーム内容

プレイ感の再現も重視したようで、広大なフィールドを走り回り、遠距離スナイピングで敵をプチプチとつぶしたり、サイレンサーつきピストルを使って敵を出し抜いたりなど、本作でも前作と全く同じプレイ感が味わえる。しかし、前作にあった不具合が解消され快適になったものの、ゲーム内容全体としてはかなり寂しくなった。前作にあった巨大な基地や飛行機内部のシーン、戦車、装甲車、ボートなどが出てこず、ミッションに見どころがない。出てくるのはせいぜいトラックとゴムボートくらいだ。海上油田などのシーンで変化をつけてあるものの、基本的にどのシーンも使い回しの建物、オブジェクトばかりで構成されている。建物の内部、地下通路の構造まで同じだ。

ミッション内容も単調だ。前作では、超長距離スナイピング中心のミッションや、隠密行動中心のミッションなど、個性的な能力を要求されるミッションがあったが、本作ではあまり意識してないようだ。前作より遠距離射撃、近距離射撃ともに命中しやすくなったのも少し残念だ。敵のだいたいの位置に着弾すれば死んでくれる。スコープの距離調整もいいかげんでかまわない。プレイヤーキャラはそれぞれ特殊技能のある5人の中から選べるが、どれを選んでも変わらない感じがするし、あまり嬉しくない能力のキャラもあるので、余計なフィーチャーと言えるだろう。

装備できる武器はOICW、G11など最新兵器が多く、ミリタリーファンには嬉しい。ただし、PSG-1とサブマシンガン、ハンドガン、ロケットランチャーをかついで山を走ったり湖を泳ぐなど荒唐無稽な点はいただけない。敵AIも前作から進化しておらず、基本的に棒立ちか同じところをうろうろするだけだ。プレイヤーがドアに近づくといきなり敵が出てきたりなどの工夫は多くなっている。また、敵が手榴弾を投げてくるのは面白いと思った。(ただし戦術的にはあまり意味を成さないことが多い) ミッション中にセーブができるようになったのは大きな変更点だろう。あまり試行錯誤するタイプのゲームではないので、休憩や再プレイ時の時間節約に便利だ。その他、開閉するドアや立っていると照準がぶれるなどの細かい改善点もある。

特にユニークなのが日本のシーンだ。洋ゲーに日本が出てくればとかく文句を言いたがる輩は多いが、私はゲーム内に出てくる外国人の日本観ついて、いちいち指摘するのは好ましく思わない。ゲームというのは大衆の期待に沿うよう作るものであり、エキゾチックな外国観も一般人(主にアメリカ人)の総意をデフォルメしたものであって良いと思う。しかしながら、このデルタフォース3の日本観はずば抜けていた。ソルジャーオブフォーチュンなどでは、誤解は多いものの非常によく日本を調べたと感心する部分もあったが、本作はまったく調べる努力をしていない。起伏の激しい山奥に、ひとつだけぽつんとある日本庭園風の砦。瓦屋根の建物があるがどうも変、ガラスでできた障子、中に入ると石畳、そしてなぜかベッドが。おそらく外国人観光客向けの絵はがきか何か、2,3枚を頼りに想像を膨らませて作ったのだろう不思議ファンタジー空間だった。




これはデルタフォースシリーズすべてに言えることだが、すべての銃が異様に精度が高く、ある程度弾は散りはするものの、どの銃でもスナイピングが可能になっている。M4でもOICWでも数百メートルのスナイピングをこなしてしまうので、スナイパーライフルのメリットはスコープの倍率が大きくて目標を見やすいことくらいしかない。目視できないほど遠距離の敵に攻撃させて難易度を上げるより(こちらから反撃できないので本当に困る)、アサルトライフルの性能をきちんと再現したほうが攻略のための工夫も生まれるし、合理的かつ自然なゲームになると思う。




全体的に、デルタフォースシリーズとしての楽しさは残ってはいるものの、内容的には満足感が小さい製品である。ポリゴンベースに作り替えたが、前作を忠実に再現することに注力し、ゲーム内容そのものの改善は行っていない。開発側としては、「面白いミリタリーシミュレーションゲーム」を作っているのではなく、あくまでも「デルタフォースシリーズ」を作っている、ということなのだろう。

 



Click Here!