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OPERATION FLASHPOINT
(Bohemia Interactive Studio / Codemasters)

オペレーションフラッシュポイント

RATE: 極度に偏った未完成品。
プレイ時間: シングルミッション LoneWolfまで、キャンペーン序盤(現在続行中)






ここでいまさら取り上げるのもおこがましい、ハードコアミリタリーFPSである。マルチプレイのプラットホームとして期待していた人も多いと思う。いままで、新しいゲームがリリースされるたびに、リアルだ、リアルだ、と言われてきた。だがそれらはあくまでPCゲームとしての範疇でのリアルさであり、PCゲームとしてのプレイアビリティが最優先のリアルさであった。このオペレーションフラッシュポイントは、ゲームっぽさや遊び的要素を大胆なまでに排除し、年々リアリティを増すミリタリーシミュレーションの本命として登場した。

AIの上官が分隊に指示を出し、プレイヤーはそれに従う。自分で地図とコンパスを見て目的地を目指す。必要に応じてジープなどの乗り物を使う。味方が敵を発見する。分隊長に○○を撃て!と命令される。急いで伏せて見回しても何も見えない。味方は発砲して交戦するが自分はおろおろするばかり、やっと敵を見つけて撃ったと思ったら実は味方で愕然。立ったり伏せたり、弾薬をリロードするのにもそれなりの時間がかかる。一発当たれば突然目の前が真っ暗になる。言われたとおりに動いて死ぬときはあっさり死ぬ、「戦争のコマ」気分を十分に満喫できる。もちろんミッションによっては自分に指揮権があり、武器を選び、味方兵士に適切な命令を出し、AIとの連携プレイが必要であり、奥深いプレイが楽しめる。難易度を落とせば状況を知らせる各種マーカーが出て一発で死ぬこともない。が、このゲームを本当に楽しむにはやはり可能な限り現実と同じ設定にするべきだろう。



このゲームはミッションをシーケンシャルにこなす従来のいわゆる面クリ型ゲームとして作られているものの、実際は戦場再現ツールとしての性格が強い。登場する兵器はタイトルからわかるように1985年の米ソの実在のものである。ゲームの舞台は特定の地域ではなく、ほんとうにありそうな地形、町、基地などを含んだ架空の島が用意されている。これは普遍的世界の構築として正しい判断であろう。画面上に表示される説明やマーカー類もできるだけインターフェースを意識させないシンプルなものとなっている。ミッションの自由度は高く、指揮権や目的にもよるが、存在するものはすべて自分の判断で自由に利用できる。また、本来指定された方法以外に同等の方法によってもミッションをクリアできる。ミッションによっては戦闘機、ヘリ、ジープ、戦車、装甲車、民間乗用車などに乗り込むことができ、自分は操縦、砲手、指揮官のどのポジションについてもよい。すべての乗り物は内部もきちんとモデリングされており、それぞれのポジションからの3Dコクピットを含む視界が得られる。すべての運転席は3Dコクピットであり計器が動いているなど見た目にリアルである。ただし操作感覚や操作手順などは簡略化されている。これは、あくまで歩兵戦闘における各兵器の連携や影響を再現するためであり、個々のハードウェアの再現が目的ではないためであろう。マルチプレイヤーゲームなどではスムースにプレイが進行するようにプレイヤーの学習の負担を減らすためでもあるだろう。




戦場再現ツールとして不可欠なミッションエディタも標準で付属しており、マップの選択、ユニットの配置、ウェイポイントの設定、プレイまではほとんど説明もいらず簡単に行える。自分でさまざまな兵士や兵器を配置して自由にプレイすることができるのは楽しい。






オープンフィールド重視の設計

デモ版を見て心配だったのだが、どうにも動きがぎこちない。ヒットマンコードネーム47などのゲームで自然な動きを見せられてからこれを見ると、最新ゲームなのにこれでいいのだろうかと思ってしまう。建物のつくりはデルタフォース2と同じで、動きが荒く、壁の近くで立ったり伏せたりしていると壁を突き抜けてしまう。また、扉は閉じているものは開かず、扉のない建物にしか入れない。弾薬をリロードすると、グローブのような手が出てきてモソモソするのだが、どうみてもリロードしてない。こんな中途半端なものを見せて萎えさせるくらいなら、はじめから見せないほうがマシだと思う。細部の動きがあまりにもぎこちないのはあまりにも大きなフィールドを一つの座標系で扱っているからだろうか。それにしても、他の3Dゲームでは建物や人物などが緻密に動くのが当然なのに、プログラムの都合とはいえこのゲームでできないのはとても残念だと思う。






AI兵士の異常な索敵能力

このゲームのバランスを壊しているのはミッションのできの悪さ以外にもAI兵士の異常な索敵能力が挙げられる。通常人間プレイヤーであれば迷彩を着てゴマ粒以下の大きさにしか見えない敵兵を発見するのは至難の業である。敵兵にとってもこれは同じであるし、味方から見ても同じはずだ。だが、AI兵士はこれを異常な早さで発見し、報告なり発砲なりしてくるのだ。味方が敵を発見するのはまだいい。だが、草むらに伏せてじっとしている自分を遠方から敵はどうやって発見するのだろうか。300メートルほど離れてスナイパーライフルを撃ち、走って視界外へ逃げ、大きく位置を変えても、なぜか敵には居場所がばれているようですぐに追ってくる。さらに納得いかないのは、敵と自分二人しかおらず他に誰も見られていない状態で敵をMP5SD6で殺しても、なぜか一瞬で敵全体に知れ渡ってしまうのだ。AIのアルゴリズムに発見や認知といったプロセスがないのだろうか。






システムを生かせない醜悪なシングルミッション

このゲームにも他の一般的なシミュレーション系ゲームと同様、シングルミッションとキャンペーンが用意されている。が、お世辞にもよいとはいえないどころか、極めて劣悪である。多くのミッションにおいて、正攻法では解決できないようになっており、なんらかの穿った見方を要求される。特にひどいのはシングルミッションのLone Wolfで、這って敵基地まで近づき、敵に隙があるように見えるが実際には侵入することはまず不可能である。ところが、この基地の裏側には壁に穴があいており、簡単に侵入できるようになっている。これはミリタリーオペレーションでもなんでもない、ただの醜悪な三流アクションゲームのミッションそのものである。これがただのアクションゲームのフィーチャーであれば、ああそうかで済ませられるが、このゲームに期待するものはあくまでリアルな機動、索敵、射撃、連携などの軍事的行動であり、それらを自分で考え、実行し、自分の考えて実行した軍事的行動の結果を真実味をもって得られるところが面白いのだ。が、このような脈絡のない隠しを発見したり、想定された一本道を進まないとクリアできないミッションなどはまったくゲーム内容にそぐわずミリタリーシミュレーションという題目を完全に殺してしまい、プレイする価値を完全に無にたらしめている。ほかにも指示に従うとクリアできないミッション、運でしかクリアできないミッション、何度もプレイしないとわからないタイミングを習得する必要のあるミッションなどが多い。
結局彼らは現実を忠実にPC内に再現するだけの優秀な技術者にすぎず、シミュレーションゲーム制作者としては三流に過ぎなかった。ゲームシステムは素晴らしくリアルなものを作り上げたが、リアルなミッションやゲームバランスなどそれを生かす創造力に欠けていたのだ。






ちぐはぐな初期リリース製品

ほかのビッグタイトルと同様、利益の回収を焦りとりあえず遊べるようになったから売ってしまった、という感が強い。全体的この製品は完成度の低さが目立つ。キャンペーン含むシングルミッションのお粗末さは、このソフトがマルチプレイを主眼にしているからではない。このリリース版はインターネットプレイに最適化されておらず公式サーバーもなくマルチプレイすら満足にできないからだ。ミッションのほかに兵器なども自作でき、すでに多数の作品が公開されているようだが、これを理由に製品の出来の悪さを正当化してはならない。ユーザー作成のデータを楽しむプラットホームである以前に、このオペレーションフラッシュポイントは市場を流通するプロフェッショナルの作った「製品」として存在するからだ。おそらくこの製品も、後に2000だとかGOLDだとか適当な名前をつけ、バグフィックス版に多少のデータを加えてリリースしなおし、二重の利益を狙うのだろう。PCゲームの開発はマニアックなホビーの延長線上という性格もあると思うが、ビッグタイトルの開発はもはや市場規模を超えてしまったのかもしれない。





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