REAL FLIGHT SERIES (TWILIGHT EXPRESS)

リアルフライトシリーズ

RATE:核地雷
評価時間:のべ1時間程度

 

思いがけず掴まされたクソゲーが「地雷」だとしたら、これはまさに核地雷だろう。謳い文句だけ立派なこのフライトシミュレータは、実は既存の製品の改悪版であった。インチキ会社トワイライトエクスプレスの放つこの新兵器を紐解き、壮大な搾取計画を暴いていこう。なお、トワイライトエクスプレスがどのような会社であるかは、ここを参照していただきたい。






コンポーネント

箱はやたらでかいが、持ってみると軽い。トワイライトのいつものパターンだ。中身の石ころにそんなに金をかけていられないのだ。白い紙のスリーブに入ったCD-ROM一枚、MSFSにすらとうていおよばない、たったA5サイズ76ページ(最終ノンブル)のマニュアル1冊、空港シーナリシリーズを買ってくれと懇願する無様なチラシ1枚、総合カタログと通販はがき一枚。

マニュアルは厚さ5ミリ。「次世代ハイエンドフライトシミュレーションシステム」を標榜する製品のマニュアルがたったの5ミリ。ちなみにFly!の日本語マニュアルが15ミリ。FS2000が・・・やめておこう。目次には「操縦の基礎を学ぼう」「747の操縦に挑戦」などとそれらしい文句が並ぶが、内容は、専門用語とキーの説明が淡々と流れるだけで、ADFやVORがなんなのか、HSIの見方、GPSの使い方、オートパイロットの使い方など、肝心な知りたいところが説明されていない。GPSの使い方などはたった3行の前文と5項目の箇条書きで済まされている。

マニュアル本文より引用
GPSシステムは、衛星を利用して航空機を目的地まで〜中略〜所要時間などが瞬時に表示されるハイテクシステムです。
APT: 目的地を空港とする場合のモードです。
VOR: 目的地をVOR無線局とする場合のモードです。
NDB: 目的地をNDB無線局とする場合のモードです。
SCROLL: 空港や無線局を選択するノブです。
DICIT: 空港や無線局を選択する際のカーソル位置を移動するノブです。
※注: DIGITではなくDICIT。校正なんて知らないらしい。

これがGPSの説明のすべてである。このずさんさは、おそらくLaminar Researchから仕様書をもらえず、製品に対する正しい知識を持たないばかりか、マニュアルの著者が機能を理解していないためであろう。後半20ページほどで、機体のデータやマップなどでページ数が水増しされている。マップなどはソフトウェアから参照できるので、一枚のまともな地図にして別に添付するべきであっただろう。一瞥するだけでこの製品の企画力のなさがありありと見てとれるすばらしいマニュアルである。


マニュアルの最終ページ、Producerの項には、'Masaaki Watanabe'と書いてある。






X-Planeの機能制限版

さて、画面を見てピンと来た人は多いと思うが、言うまでもなくこのソフトはLaminar Research社のX-Planeである。X-Planeとは、ジェネラルアビエーション全般をシミュレートするPC用フライトシミュレータであり、特に流体力学から生まれたシミュレーションエンジンは、実際の航空機の設計支援にも使われる。機体やシーナリなどはすべてユーザの手によっていくらでも変えることができ、さまざまな局面で正確なシミュレーションができることが特長である。作者自身が参加するコミュニティによってユーザの要望を吸い上げ、頻繁にアップグレードを繰り返し、ユーザはメジャーアップデートまで無料でその恩恵を受けることができるという、作者とユーザが密着した環境を構築している。

そのLaminar Researchがこんなうんこソフトを作るはずがない。そう、フリーウェアや体験版を法外な価格で売りつけるインチキ商売が得意なトワイライトエクスプレスのことだ。このX-Planeも魔の手にかかり、見事にズタズタにされてしまった。まず、製品ラインナップの全貌を見てみよう。

うんこフライトジャパン 9800円
X-Planeの機能制限版。航空機は10種。日本全国のシーナリ(X-Planeには世界中のシーナリがついているのだが)。シーナリは別売品を買わせるために、わざとへぼくなっている。メインの製品として本ページで扱う。

ファーストフライト 2980円
うんこフライトジャパンの機能制限版。つまりX-Planeの機能制限版の機能制限版。何がなんだかわからない。名前と値段から察するに初心者向けということらしいが、中身は初心者を舐めきった手抜きソフト。3機の機体と羽田周辺のみ。腐ったマニュアル。

ファーストフライトうんこスティックつき 4980円
在庫処分のジョイスティックを添付して商品バリエーションを増やし、売り上げ金額を上げるための製品。

北海道空の旅 4980円
AIRDOを騙してブランドを使用した製品。

東京国際空港 3800円
新東京国際空港 3800円
仙台空港 3800円
名古屋空港 3800円
大阪国際空港 3800円
関西国際空港 3800円
福岡空港 3800円
那覇空港 3800円

うんこフライトジャパンに追加するためのシーナリ。一応これだけでも飛べるらしいが、3800円もするのならもう一度別のを買おうなどと思わないだろう。全部そろえると35380円もする。揃えようなどと思う馬鹿はいない。

うんこフライトヘリコプター 12800円
最も凶悪なのはこれかもしれない。X-Planeの重要な機能と固定翼を取り除き、シーナリを限定した製品。何をどうすれば12800円になるのかさっぱり理解できない。

うんこフライトヘリコプターうんこスティックつき 14800円
在庫処分のジョイスティックを添付して商品バリエーションを増やし、売り上げ金額を上げるための製品。


※X-PlaneはLaminar Researchから直接70ドル、輸入パッケージだと7000円から8000円程度で購入することができる。うんこフライトシリーズをすべて購入しても、X-Plane相当の機能は得られない。








X-Planeとの差異

トワイライトエクスプレスの馬鹿っぷりをより明確にするため、オリジナルX-Planeとの差異を明確にしようと思い、適当にスクリーンショットを取っていたのだが、これがあまりにも多すぎて、収拾がつかなくなったのだが、せっかく作ったので紹介しようと思う。

機能メニュー

見難くて申し訳ないのだが、有意義な資料であると思う。言うまでもなく上段がうんこフライト、下段がX-Planeである。なお、対比をわかりやすくするため、うんこフライトのメニューの並びは一部変えてある。




天候設定機能
 
左がうんこフライト、右がX-Planeである。
うんこフライトには不可解な空きスペースがある。特に問題なのは、左下の空きである。本来ならRealWeatherの説明が入るはずであるが、この機能は省略されているのだ。RealWeatherとは、インターネットから現在の天候データをダウンロードし、各地のリアルタイムの天候を再現する機能である。なぜこのような重要な機能を削除したのか理解できない。




ジョイスティック設定項目
 
ここにも不可解な空白がある。X-Planeはさまざまなコントローラに対応しているのだが、すべて省略され、「ラダーを使用」のみが残されている。また、ジョイスティックのボタンアサイン機能の空白は、X-Planeから削られた機能の分だけ空白となっている。





サウンド設定項目
 
この空白部分はATCに関する項目である。うんこフライトではATC機能がばっさりと削除されているためである。




警告表示機能
 
高速でフラップを下げると警告する機能が消されている。こんなささいなところまで目を配って削除しているが、何を意味しているのかは不明。





うんこフライトで削除されている機能(ほんの一部)
 
PlanetMapとWeatherMapである。このように、X-Planeではデフォルトで全世界を飛行することができるのだが、うんこフライトでは隠されている。





  
左がテクスチャードエンルートチャート。テクスチャつきで一望できるマップはシーナリ作者には嬉しいだろう。右はセクショナルチャート。滑走路と多少のオブジェクトが表示されている。VFRではこちらを多用するだろう。






インターネット接続画面。画面ではLAN上のローカルIPが表示されており、接続できなかった。





  
海上のヘリアプローチ3種。うんこフライトにはヘリコプターがないので、当然これらは飾りである。ヘリを操縦するには12800円の製品を買ってください。笑い。






参考 シーナリの違い
 
左がうんこフライト。右がX-Plane。羽田34R。X-PlaneももともとVFRシミュレータではないので、シーナリは凝っていない。NAVAIDSと滑走路だけしっかりしてくれれば、オブジェクトなど子供のおもちゃに過ぎないのだ。ちなみに、うんこフライトの羽田デフォルトが34R。X-Planeの羽田デフォルトが34L。X-Planeは34Rにも、どの滑走路にも指定して移動できるのに、うんこフライトでは選べないのだ!!





 
左がうんこフライト。右がX-Plane。関西06。大きな違いはない。






 
左がうんこフライト。右がX-Plane。関西06より、全景。埋立地の形が再現できていないのはX-Planeのシーナリシステムのせいである。余談だが、RedCrownのX-Japanは海岸線にこだわっていて、関空を始め全国の海岸線の形を正確に再現している(と思う。忘れた)。そのかわりグリッドを変形しまくっているので、テクスチャが歪みまくっている。全世界の地形、NAVデータと共存することを諦めたX-Japanを使うくらいなら、X-Planeデフォルトの日本でもいいと思う。











うんこフライトのうんこっぷりを披露

ATC機能がまったくない
なぜかATC機能はばっさりと削除されている。オリジナルのATC機能はすばらしいとはいえないが、一通りの交信手順と、アプローチコントロールをしてくれる。最新シミュレータには欠かせない機能だけに、なぜ削除したのか理解できない。

シーナリは日本のみ
なんともコメントしづらい。キチガイの思考は理解できない。

回転翼機がない
うんこフライトヘリコプターとの競合を避けるためであろう。

機体はたったの10機
さまざまな機体の挙動が楽しめるX-Planeであるが、オリジナルに含まれるユニークな機体が一切ない。

火星でのフライトがない

スペースシャトルがない

VFR/IFRでの着陸など各種離陸、着陸シチュエーション機能がない

グライダーのトーイングがない

火事の消火がない

RealWeather機能がない
これもなぜ削除したのだろう? MSFS2000でもようやく取り入れた機能なのに、わざわざ低機能にする必然性があったのだろうか。

プロップピッチが調整できない
信じ難いのだが、キーアサイン一覧にプロップピッチが書いていない。

Plane Maker、World Makerが付属していない
機体製作ツール、シーナリ製作ツールである。トワイライトはこれを省略し、アドオンデータを独占するつもりなのであろう。

アドオンデータを一切保証していない。
X-Planeはフリーの機体やシーナリで拡張できるのが特長であるが、(つーかもともと機体作成ツールでさまざま機体を作って、テスト飛行させるためのソフトである) うんこフライトは自社製品以外一切保証していない。

バージョンアップを一切保証していない。
X-Planeはかなり高い頻度でバグフィックス、機能アップを繰り返し、正規ユーザーには無償でバージョンアップを受けられる。が、トワイライトエクスプレスはオリジナルX-Planeに対応したサービスを行っていない。将来、X-Planeの機体仕様変更に伴い、フリーの機体データがうんこフライトで使用できなくなる可能性は高い。以下憶測。うんこフライトはX-Plane5.5xが元になっていると思うのだが、開発元はこれのバグフィックスを5.6xで行っているわけで、わざわざうんこフライト用に5.5xのバグフィックスパッチを出すとは思えない。つまりうんこフライトにバグが見つかっても永久にそのままになる可能性が高い。

ネットワークプレイがない
X-Planeはインターネットを介してネットワークプレイができるが、これが省略されている。なにかとトラブルの多いネットワークプレイであるが、サポートの軽減を狙ったものであろうか。







警告。うんこフライトシリーズをすべてそろえても、X-Planeを超えることはできない。
臭いだけである。








資料 うんこフライトのキーアサイン (マニュアル11ページより)

A 視点
B ブレーキ
G ランディングギア
H 方位計の補正
I トランスポンダーIDENT
J 方位計の補正
K 時刻戻す
L 時刻進む
M OBS1の設定
N OBS1の設定
P ポーズ
S 視点
U 高度計の補正
Y 高度計の補正
Z 視点
SHIFT+
A スポイラー閉
B フルブレーキ
D エントールチャート
(エントールらしい)
I ADFの設定
M OBS2の設定
N OBS2の設定
S スモークの発生
T ADFの設定
U ADFの設定
Y ADFの設定
Z スポイラー開
F1 スロットル開
F2 スロットル閉
F9 ミクスチャリーン
0 キャブヒーター(オフ)
1 ピッチトリム(ダウン)
2 ピッチトリム(アップ)
3 エルロントリム(左)
4 エルロントリム(右)
5 ラダートリム(左)
6 ラダートリム(右)
7 フラップ(アップ)
8 フラップ(ダウン)
9 キャプヒーター(オフ) (オンは??)
BS ミクスチャリッチ


オリジナルX-Planeを知っている人はその相違に注意していただきたい。この一覧を見ただけでどれだけの機能削除、改悪が行われているかわかるだろう。※転記の際の間違いはご容赦願いたい。








インチキ会社の壮大な搾取計画

ユーザーの求める製品を絶対に作らない、低品質な製品で客を冒涜する極悪企業、いや企業という形態でありながらその実態はもはや犯罪グループとすら呼んでよい株式会社トワイライトエクスプレスはすでにご存知であろう。このトワイライトエクスプレスに対する評価は私個人だけによるものではない。すでに多くの顧客が不満を唱え、その事実は揺るぎ無いものとなっている。だがキチガイ社長の会社ごっこはとどまるところを知らず、さらに市場から搾取すべく「箱に石ころを入れて」商品を出荷したのだ!!! それが「リアルフライトシリーズ」だ。

話はリアルフライトヘリコプターにまでさかのぼる。精神障害者の・・・代表は公的な立場であるし、ウェブサイトにも書いてあるので氏名を出しても支障ないだろう・・・精神障害者の丸山正美は、うまくラミナーリサーチを騙し、X-Planeの日本販売権をまんまと手にした。そしてMSFSオタクのオナニー集団どもはそれをわざわざ改悪し、あたかも自分たちで企画したかのように見せかけた「石ころ」がリアルフライトヘリコプターだ。だが彼らのオナニーはそれだけに飽き足らず、とうとう「ファーストフライト」「リアルフライト」という見るも無残な精液を販売店に振りまき始めたのだ!! このリアルフライトはシリーズとして、もっともボッタクリ価格のリアルフライトと、空港シーナリシリーズとがある。結果、X-Planeは、機体、本体プログラム、シーナリがそれぞれ分割されて日本で発売されることになる。たった70ドルの製品を10以上にも分割し、総額6万円もの商品を捏造してしまったのだ。





海外製品の安直な機能削減

X-Planeがよくなるのならまだいい・・・だが、この搾取企業がしたことは、X-Planeの機能削減と、分割だけなのだ。そこには企画意図のかけらすら介在しない、だいたいタイトルからして馬鹿っぽい「リアルフライトって、リアルなフライトそのまんまだろ、おいおい」的なもので、つまり彼らは何も考えていない、いや、考える頭すら持っていないことは決定的だ。リアルフライトシリーズの中で最も上位バージョンなのが「リアルフライト」である。が、はっきり言おう。上位バージョンですらX-Planeから大幅にメニューが削られ、キーアサインが削られている。機体やシーナリはほかのシリーズを買わせるために当然抜いてある。もし何かの間違いで廉価版のファーストフライトを買ってしまったならば、いますぐftp.x-plane.comへ行ってシーナリと機体をダウンロードしまくろう。己の過ちを恥じ、そして二度とトワイライトエクスプレスの製品は買わないと誓ってほしい。(いや、実際買う必要などないのだ。)




密度の希薄な商品で消費者に多額の負担を迫る価格設定

ひとつの地域のシーナリが3800円とはどういうことか?! 日本のシーナリをそろえるにはこれを8つ買わねばならないのだ。入っているものといえば、やたら重いだけのテクスチャとMSFSのオブジェクトマニアだけがよろこぶ少しこまかな空港オブジェクトだけだ。さらに、廉価シリーズは機能を大幅に削減されているので、それなりの機能がほしければ今度は9000円近い出費を迫られる(だが金を出したところでX-Planeのフル機能には遠く及ばない)。多くの消費者は、おそらくこれをひとつ買っただけで、おそらく腹いっぱいになって胸焼けを起こすか、極度に失望するかのどちらかだろう。そしてもう二度と買うことはないだろう。似たようなシーナリだけで3800円を何度も出せるはずがないのだ。ひとつの製品でとりあえず飛べてしまうので、ただ単に飛んでみたかっただけの人はそれで終わってしまうし、拡張したい人はネットから落としてくればよい。金など払う必要は一切ない。損をするのは知らない人なのだ。そして、知らない人から搾取するのが、トワイライトエクスプレスなのだ。そしてフライトシミュレータを愛する我々は、無垢な子羊たちを悪から守る義務があるのだ。






X-Planeを冒涜するな!













 

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