Warbirds (iEN)

ウォーバーズ

RATE: すばらしい。これでシングル用ミッションがあれば間違いなく最高。

 

ネットワークプレイ用だが、一人でもかなり遊べる良質シミュレーション。

Warbirdsはたしか94年か95年くらいにはじまったネットワークの空戦ゲームである。当時の名前はConfirmed Killだった。富士通AirWarriorみたいなもの、といえばわかるだろうか。ひとつの戦場に無数の空港が存在し、4ヶ国に分かれ、好きな戦闘機に乗って戦う。一度に100人以上もの人がそこで行動するのだ。空港を爆撃して機能を麻痺させ、そこに着陸すれば空港を占領できる。そうやって領土を広げる。度重なる改良でソフトウェア自体もシミュレーション性もかなり良くなっている。とにかく、長く続けている人はうまいのでフライトを簡単にするわけにはいかない、新参者にはトレーニングモードをつけてオフラインで練習してもらう、そんな感じだ。

このソフトウェアは基本的にネットワークプレイ用なのだが、オフラインでもかなり遊べるようになっている。ネットワークプレイは有料だが、ソフトウェア自体は無料でiENのサイトからダウンロードでき、オフラインで飛ぶには何の制限もない。このゲームの特長は、とにかくたくさんの機体に搭乗できる。ここに全部書くのが面倒なくらいだ。もちろん爆撃機にも乗れるし、砲手を務めることも可能。各戦闘機のバリエーションも多数あり、たとえば山ほどあるBf109は・・・数えるのが面倒なくらいたくさんある。前期と後期ではまったく特性が違うのに、「Bf109」でひとくくりにされていることに納得いかない人も多いはずだ。Fw190なら、A4、A8、D9だ。しかもそれぞれの武装やフライトモデルなどの違いもしっかり再現されている。

良好なフライトモデル。各機の個性を再現。

フライトモデルはどちらかというとマイクロソフトコンバットフライトシミュレータのように幾何学的な動きをするので、不自然な感じがするかもしれない。しかし、シミュレーション内容は比べ物にならないほど凌駕している。同軸機銃の速射性能、高速時にフラップやギアを出すことによる故障、燃料の重量による運動性の変化(搭載燃料を変更できる)、機銃のコンバージェンス(コンバージェンスを変更できる)、高速時の機体浮き上がりやコントロール不能、機銃発射時の反動などなど。特に各機のフライトモデルはかなり強力に個性付けされており、機体によって戦い方を大幅に変える必要がある。たとえばFw190D9はゲーム中1,2を争う高速機であるが、非常に失速しやすい。低速時に少しでも機体を傾ければたちまちコントロールを失う。零戦やスピットファイアなどは、低速時の旋回性能に優れるが速度を上げすぎると機体が勝手に浮き上がり、コントロールできなくなる。このような性格付けがはっきりしており、それらの特性を考えて戦うのが非常に面白い。他のゲームでは操縦桿を引っ張れば勝手にぐるぐる回ってくれるが、Warbirdsではそうはいかないのだ。いろいろな長所と足かせをしっかり知った上で、いかに運動エネルギーを効率よく使うかがはっきりと実力に現れるゲームなのだ。

実機同様の索敵。

このゲームでは、敵機を指し示す矢印や、敵機の位置が一目でわかるレーダーなどはない。なぜならそれは当然のことであり、現実と同様、プレイヤーの索敵能力が雌雄を決するからだ。現実の空戦では、パイロットは敵を発見するべく常に周囲を見張っている。先に敵を発見したほうが有利に機動できるし、敵に発見されないよう接近していって不意打ちをすることも可能だ。自分が不意打ちを食らわないためにも見張る必要がある。このように、現実には生死を分けるほど、索敵は重要なプロセスであるにもかかわらず、これが再現されているゲームはほとんどない。めんどうだからといって視界切り替えを怠っていては死角から忍び寄る敵機によって、わけがわからないうちに殺されてしまうだろう。コックピットからの視界も性能のうちなのだ。ついでに言うと、ゲーム画面は少し魚眼ぽくなっていて、広く見渡せるようになっているので周囲の状況がわかりやすくなっている。

 

 

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