Delta Force Task Force Dagger (zombie/Novalogic)
デルタフォース4 タスクフォースダガー
RATE:前作のミッション差し替え。システム改良なし。
プレイ時間:クイックミッション、キャンペーンともに全クリア。
アフガニスタン名指し攻撃ゲーム。
ノバロジック社の看板ソフト、デルタフォースシリーズの最新作だ。今回は前作のシステムを利用し、アメリカ軍によるアフガニスタン攻撃をテーマにしている。オープニングムービーは実写フィルムを多用し、各種画面や音楽もハードなミリタリー調で相変わらず気分を盛り上げてくれる。無人偵察機や、アフガン兵の潜む洞窟、一般市民も登場し攻撃に対する配慮も求められるなど、最近の戦争で注目された事象が盛り込まれている。前作は、単調なミッションや貧弱なグラフィックス、少ないミッションなど不満点が多かったが、どのように改善されたか見てみようと思う。
デルタフォースの不思議。
4作目、しかも5作目の Black Hawk Down がすでに控えているというのに、デルタフォースシリーズには通常のゲームソフトでは考えられない、かなり不思議な点がいくつもある。まず敵のAI。近づいたり攻撃しても反応しない。銃声がする方向に走ったりするが、なぜかこちらに気づかず通りすぎてしまう。こちらが攻撃しても、逃げたり反撃したりして来ない。なぜか撃たれるまで待っていてくれる。階段を降りることができないので、飛び降りるしかない。その救済措置のためか、高いところから飛び降りてもあまりダメージを受けない。モデリングが雑で、いかにもポリゴン数を節約しているというかまったく凝ってない。ミッションも、ゲームシステム上もっと凝った面白いものができるはずなのに、マップに乱雑に兵士を配しただけのワンパターンなものが目立つ。これらはデルタフォースシリーズすべてに共通する独特のもので、4作目になっても一向に改善される気配がない。
デルタフォースシリーズの楽しさは、最新作のFPSというより、むしろ10年以上昔のスプライトベースの2Dゲームのような印象を受ける。すべてゲーム内での「お約束」で構成されており、現実世界と照らし合わせてみれば不条理な点が多いのだが、ゲームとしては成立している。多くのFPSが現実世界をできるだけリアルかつ自然に再現しようと、敵AIやグラフィックスに最大限の工夫を盛り込んでいるというのに、デルタフォースシリーズは「これはゲームだからこれでいいんだ」という割り切りが見える。これは、開発ポリシーによるものなのか、技術的に最新FPSに追従することができないためなのかはわからない。実際、ゲームとしてそれなりの面白さを持っているのでこれらを否定するつもりはないが、他のFPSと同じ土俵に上がればもっと面白いものになるはずと思えば残念だ。
システム変更点。
基本システムは前作ランドウォーリアと全く同じなので、ほとんど同じ感覚ですぐに遊ぶことができる。今回は前作の5人のキャラの代わりに、デルタフォース、英SAS、SEAL TEAM、米海兵隊など10種類の特殊部隊が選べるようになった。それぞれ移動速度やリコイルショックの軽減、スコープの安定性など特殊能力を持つ。ガスカンの軽妙なしゃべりやロングボウのやたら渋い声はなくなり、途中に入る音声などもシリアスなものになった。大きな追加フィーチャーは UAV (Unmanned Aerial Vehicle)、無人偵察機だ。これは常に戦場の上空を飛行しており、プレイヤーは常時これの映像を利用し、建造物や敵兵の配置などを知ることができる。前作で実銃と違った性能は訂正されたようだ。スナイパーライフルで射撃するときはスコープの距離調整をしなければならないのに、アサルトライフルはスコープの距離調整に関係なく弾が直進するのはバグだろうか。
所詮ミッション差し替えか。
新作というよりアメリカのアフガン戦争ブームにあわせてミッションを差し替えた時事ネタの製品なので、根本的には変わっていない。命中しやすい射撃や山ほど武器を持っていくのも相変わらず。敵の兵器庫で弾薬を補充したり、携行兵器を変更することができるのだが、敵の兵器庫であらゆる最新兵器がそろってしまうのも相変わらずだ。またこの兵器庫で爆薬を補充することを前提にした不自然なミッションも多い。前作の単調さは少しは反省したようで、今回は様々なシチュエーションが盛り込まれている。巨大変電所や車両整備工場、レジスタンスの潜む洞窟などもある。基本的にオブジェクトは使い回しばかりだが、大きな建物にはコンテナや工作機械など独自のオブジェクトも多く、前作よりひどいとは思わない。洞窟内部は同じパターンの繰り返しばかりで残念だった。比較的大きな市街地が登場し、市街戦も楽しめるが、入れる建物が少なく、敵のへぼいAIのせいでやりがいをあまり感じないのもデルタフォースならでは。その他、ヘリ上から市街地を狙撃したり、気前よくぶっ放せるミッションもある。
難点は、アフガン戦をテーマにしているだけに心配だったのだが、やはり舞台は砂漠しかなく飽きやすいことは否めない。今回は少し工夫がされているものの、どのミッションもやることが同じ・・・見晴らしのよい場所に登って双眼鏡で索敵し、見える敵を狙撃、敵がいなくなったようなら建物に侵入・・・これの繰り返しだ。ひとつのミッションはプレイ時間も長く1時間を超えることが多いので、武器や作戦を変えて何度も繰り返しプレイしようとは思わない。途中セーブも必須だろう。ミッションは全部で25(訓練ミッションのブートキャンプ除く)。キャンペーンプレイは、キャンペーン用のミッションが出てくるのではなく、ただクイックミッションと同じミッションを順番にプレイするだけだ。キャンペーンプレイ時でも、クイックミッションでセーブしたセーブデータが使えるし、キャンペーンの意味があまりない。
OFPはまどろっこしい、SOFは荒唐無稽すぎて嫌だという人に。
同じくリアルなミリタリーシミュレーションにオペレーションフラッシュポイントがあるが、これがシミュレーションとして可能な限り詳細に描こうとしたのに対し、デルタフォースシリーズは、あくまでゲームとしてのプレイしやすさや、ゲームらしさを優先させたソフトだ。本作は前作よりたしかに強化されたゲームではあるものの、お勧めとはしない。前作までのデルタフォースをプレイしており、あのプレイ感でもっと遊びたい、と思う人は買って良いだろうと思う。初めてデルタフォースをプレイする人には、美しい風景や広範囲にカバーするミッション内容から2作目を強くお勧めする。
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